国指定の伝統工芸品|常滑焼

常滑市で陶器問屋に生まれ育ち、物心がつく頃には「ものづくり」の現場で誠実に技術を磨き続けて、ひたむきに仕事と向き合う職人の姿を目の当たりにしてきました。創り出すことの難しさと魅力に感化されクリエーター、デザイナーの道へと進みました。そんな私の原点でもある常滑焼を紹介していきたいと思います。

日本六古窯の一つ常滑焼とは? 

日本には伝統的な焼き物が数多くありますが、その中でも知名度が高い焼き物の一つとして常滑焼(TOKONAMEYAKI)があります。常滑焼は愛知県常滑市を中心として焼かれた陶磁器で、職人たちが技術・技法を受け継ぎ、伝承し、常により良い品質を求め切磋琢磨してきた日本屈指の長い歴史を有し、その技術は信楽、丹波、越前などの窯業にも多くの影響を及ぼしています。国指定の伝統工芸品でもあり、多くの名工が世界でも名を馳せ活躍している常滑焼について今回はご紹介します。

常滑焼

※日本六古窯(ROKKOYO)ー 古来から日本独自の製陶・技術を継承し、現在も生産が続いている焼き物の6つの代表的な産地の総称で、平成29年(2017年)に[日本遺産]に認定されています。

常滑焼の特徴

常滑焼は良質な土の性質を研究し、生かし、朱泥焼・白泥焼・火色焼などの多種多様な製品が生産され今日の基礎が築かれました。そのなかでも常滑焼の代名詞ともいわれる朱泥焼は鉄分を多く含む土を高温で焼き締められ、素焼きでありながらも強度が高く、きめ細かな滑らかでマットな質感と赤茶色の美しい焼き物です。

常滑焼

常滑焼といえば急須が大人気

・まろやかなお茶本来の旨味を引き出す陶土

・機密性の高い摺り合わせ技術

・極められた陶製茶漉し

常滑焼の中でも人気が高いのが急須です。特徴でもある酸化鉄を多く含む陶土はで造られた急須は、お茶を入れると酸化鉄がタンニンに反応し、渋みや苦みを和らげまろやかになります。また、きめ細かで多孔質なので、余分な不純物を取り除き雑味のないクリアな旨味を感じられるお茶に仕上がります。胴体と蓋をひとつひとつ摺り合わせる技術があり、高い機密性があるため、茶葉をしっかりと蒸らし侵出することができます。ステンレス製の茶漉しは金属臭がせっかくのお茶の味や風味を損なうことがあります。陶製の茶漉しは味も風味も損なうことなく美味しい本来のお茶が入れられます。胴穴(胴体に直接穴が空いている)・ポコ網(半球体の陶網)・ささめ セラメッシュ(細かな穴の陶網)と3種類ほどが流通していますが、常滑焼急須の伝統技術でもある「ささめ セラメッシュ」は陶製でありながらも深蒸し茶などの細かな茶葉も目詰まりしにくく、常滑焼急須が人気がある要因の1つです。

常滑焼

まとめ

常滑焼は日本でも非常に歴史が深く、平成29年には日本遺産として認定されるほどの、まさに愛知のみならず日本を代表する素晴らしい焼き物です。急須に適した陶土と高い技術が作り出す常滑焼急須は、使い込んでいくほどに味わいが出て、誰でもお茶本来の旨味を引き出し、美味しいお茶を入れられる茶道具です。ぜひ皆さんもお目にかかったらお手に取ってみてはいかがでしょうか。

常滑焼の歴史

平安時代末期(1100年頃)が起源とされており、日本六古窯の中でも最も古く大規模な焼き物産地でした。様々な焼き物が造られましたが主要に造られた大型の甕や壺は素朴な中にも優美さを持ち「古常滑」と称され、現在でも高い人気があります。北は岩手から南は広島の遺跡から出土品があり、この時代でも広く流通していたことがわかっていますが、室町時代に入り海路が発達するとともに、全国へと広範囲に販路を拡大していきます。江戸時代になると、高温で焼き締めた「真焼物」と素焼きの「赤物」による製品が多く造られました。江戸後期には茶器や酒器などの小細工物と呼ばれる日用品となる工芸品が造られるようになります。常滑焼の代名詞とも言える朱泥の製品が焼かれるようになったのもこのころからです。

常滑焼

江戸末期になると土樋とよばれる素焼き土管が造られるようになり、明治時代に入り、時代の流れに伴い大量生産されるようになります。この頃の土管(陶管)は素焼きではなく真焼で造られ、全国の生産量の半数以上を占めました。強度か高く、耐食性・耐薬品性にも優れている為現在でも生産が続く名産品の1つです。明治10年代ごろから本格的に輸出事業が盛んになり、漆や金箔を装飾に用いた華やかな「朱泥龍巻」「陶漆器」とよばれる製品が常滑の輸出品の代表となりました。また明治末期頃から需要が高まったタイルを中心とする建築用陶器が大正時代に世界的に有名な建築家が設計した帝国ホテルに採用され、高い評価を受けます。昭和に入ると常滑焼が伝統工芸品として産地指定され、更に登窯(陶栄窯)が国の重要文化財に指定されました。平成になり、茶香炉が開発されると中小企業庁長官賞(最優秀賞)を受賞し、全国へと広がっていきます。一方、常滑焼急須が平成10年に重要無形文化財の指定を受けるとその重要無形文化財保持者として陶芸家の三代山田常山が人間国宝に認定されました。

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